スタッフブログ

 台風14号の被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。
 大きさといい進路といい、県内も破滅的な被害が出るのではないかと戦々恐々でしたが、予報円の中でもかなり北側の針路となったため当初の想定ほどには愛媛県の被害はなかったようです。でも今年は台風の当たり年のようで、もう南方海上のネクストサークルには次の台風の卵のスタンバイが完了しているようです。ああ……

 さて時候の挨拶はこれくらいにして、お約束した大学受験の各科目について思うことなどをまたダラダラ書いてみたいと思います。 

 ここ10年ほどで「国語力」という言葉をよく見かけるようになりました。
 「国語」教育を売りにする塾で、「国語」と社会の講師を務める身としては誠に都合のよい風潮だと思いますが、では「国語力」の中身とは何かというと甚だ心もとない。
 難解な文を読める能力なのか、文学賞レベルの名文を書ける能力なのか、あるいは文章から論理を抽出するIQテストのような能力なのか、曖昧模糊そのものです。
 ゴールがわからないものに懸命に挑んだとしても芳しい成果は得られません。流れに棹さすようで恐縮ですが、私は「国語力」なるものは受験産業の作り出した虚像で、どこまで剥いても中身は出てこないラッキョか、玉ねぎのようなものだと思っています。

 では、「受験国語得点力の要」とは何か。

 私の管見を披露する前に、司馬遼太郎先生の名著「坂の上の雲」第3巻から次の一節をご覧ください。

 「戦術の要諦は、手練手管ではない。日本人の古来の好みとして、小部隊をもって奇策縦横、大軍を翻弄撃破するといったところに戦術があるとし、そのような奇功の主を名将としてきた。源義経の鵯越の奇襲や楠木正成の千早城の籠城戦などが日本人ごのみの典型であろう。
 ところが織田信長やナポレオンがそうであるように、敵に倍する兵力と火力を予定戦場にあつめて敵を圧倒するということが戦術の大原則であり、名将というのは限られた兵力や火力をそのように主決戦場にあつめるという困難な課題について、内や外に対しあらゆる駆けひきをやり、いわば大奇術を演じてそれを実現しうる者をいうのである。あとは『大軍に兵法なし』といわれているように、戦いを運営してゆきさえすればいい。(P285)」

 受験国語にもし「国語力」なるものがあるとすれば、結局それは「語彙力」の言い換えに過ぎない。国語得点力の要諦は、手練手管ではない。受験前の準備期間にあらゆる駆けひきをやり、いわば大奇術を演じて大量の語彙をもって試験場に臨みさえすれば、あとは『大軍に兵法なし』といわれているように、普通に問題文を読み、ただ設問に答えてゆきさえすればいい、それこそ受験国語得点力の要諦である、と私は思います。

 では、その語彙はどうやって増やすのか。
 少し長くなってきましたので、続きは次回。

 台風のお蔭で少し涼しくなってきました。こういう時が受験生にとっては最も体調を崩しやすい時期。皆様もどうぞご自愛ください。

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