「もーろびとーこぞーりてー♪」
街もクリスマスカラー一色ですね。日用雑貨などを買いながらクリスマスソングをBGMで聞かされると、何となくあせらされているような、今年の反省を迫られているような、つまりまぁ一言でいえば非常にあわただしく、複雑な心境にさせられる気がするのは私だけではないと思いますが皆様いかがお過ごしですか。
ただ、私どもにとってはこの季節、今年の反省などしていられません。センター試験まで約20日。「日々是決戦」「皇国の興廃此の一戦に在り」の真っ最中なのでございます。入塾時期は生徒さんそれぞれ異なりますが、長い生徒で3年、訓練に次ぐ訓練、準備に次ぐ準備をしてきた成果を発揮する舞台はもう目前です。ここで直前期の過ごし方を失敗して今までの努力がすべて水の泡となっては泣くに泣けません。俗に云う「九仞の功を一簣に虧く」「港口で船を割る」というやつです。
もっともこの季節、クリスマスに大晦日、そしてお正月、とイヴェント目白押しでございます。特に、私のように40を過ぎてしまうとどうでもよくなるのですがクリスマスの誘惑はなかなか侮れない。「聖夜」という言葉のイメージもさることながら、「ケーキ」がセットになっているのが曲者でして、「一日くらいイイや」でクリスマスパーティに参加、その後の年末年始の行事も順調にこなしてしまい、体勢を立て直せないままセンター当日を迎えた結果、実力の7割程度しか出せなかった受験生たちも過去に数多く拝見いたしました。
どうにかして、このなし崩しの第一歩を食い止めなければ今まで頑張ってきた生徒さんだけでなく、われわれ講師の努力も報われない。
どうすればいいだろう?
「そうだ!行事とケーキをバラしてしまえ、ケーキを先に食べちゃえ!!」
というわけで、我々の塾では毎年クリスマス前に、クリスマスケーキを食べる行事「プレ・クリスマス」を行い、以後はクリスマスのことはきっぱり忘れてセンターまでまっしぐら、で年末年始を駆け抜けております。
おかげさまでこの行事も3回目。ケーキは当然我々オーナーからのプレゼントですが、喜ぶ生徒の顔を眺めると決して高いものではございません。
どうぞ神様、この子たちの今までの努力が実を結びセンター当日に自己最高得点をマークできますように。
と、お祈りも済んだところで本日はこれまで。
ご退屈様でした。
スペシャル大河ドラマ「坂の上の雲」絶賛放映中でございます。
伊予松山出身の「日本騎兵の父」秋山好古、「バルチック艦隊をパーフェクトゲームで打ち破った天才海軍参謀」秋山真之、真之の友人でもある「近代俳句の祖」正岡子規の3人が主人公の、司馬遼太郎先生の同名ベストセラー小説の映像化。
そうでなくとも、ただひたすら感動の物語である上に、見ている場所が舞台の松山ときてはもうたまりません。毎週テレビの前で釘づけになって応援しております。
若きエリートたちの崇高な使命感、庶民の国家に対する信頼そして献身、それにこたえる指導者の英知と胆力…全て現代では見られなくなったものばかりゆえについつい漏れてしまうこの一言「明治のひとは偉かった」
いやぁー、NHKに受信料払っていてよかった。ホントNHK素晴らしい、よくやった、とほとんど満足なのですが…ちょっと1ヶ所気になる点がございまして、それは…
「なんで秋山好古がフサフサなんだ」
ということでございます。
秋山好古閣下は、確か30代にフランス留学した折、チフスを患い高熱が続き生死をさまよって髪がごっそり抜けてしまい、終生御髪(おぐし)がおありにならなかった。早い話がまぁ、一生つるっぱげであったというのは有名な話で、残された写真も当然そういう写真ばかりですし、司馬氏の小説でもそう書かれております。それなのに、ああ、それなのに、なぜ阿部寛はフサフサのまま閣下の役を演じているのか。しかもこのドラマはかなり時代考証がしっかりしていて、細部までリアルな再現を試みたのがウリであり、かつ画面からもそれが伝わってくるのに、なぜハゲだけは歴史上の事実を捻じ曲げてまで無かったことにするのか。
それはつまり、ヒーローがハゲではまずいということなのか。それともそういう細かいところは気にしないで見てほしいということなのか。でもそんなことを言い出したら今後、視力両目2.0の伊達政宗やリーゼントヘアの一休禅師もありということになるのか、そのへんNHKはどう考えているのか。
これは別に、私がこの小説がドラマ化されるのを聞いたときに「ハゲがヒーローのドラマができるらしいから、その放映をきっかけに世の中のハゲに対する視線が少しは暖かくなるんじゃないか」といったような不純なことを考えたから怒っているのではございません。断じてそうではございません。そうではなく、ただ歴史を愛する者として歴史の改竄が許せない、つまり、なんというか…
まぁ…ただ私が見てもやっぱり主役がハゲではドラマが締まらないとは思いますが。絵面(えづら)として髪があったほうがきれいですよねえ…。なんというか、ハゲってホントせつない。本人にとって自分の容姿が変わる、しかも自分の意思に反して、という思いっきりシリアスな事件なのにモノが髪というだけで笑い者、周囲の同情ゼロ。しかも歴史的事実を変えてまでなかったことにされてしまうのか、と頭部に吹きつける木枯らしの寒さが身に染みる今日この頃でございます。
と、本日は秋山好古閣下の感動的なエピソードを皆様にお伝えしようと思って稿を始めたのに、ついつい愚痴全開で突っ走ってしまいました。よって、秋山閣下のお話は次回申し上げることにして、本日はこれまで。
ご退屈様でした。
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