梅雨真っ盛りですね。
皆様いかがお過ごしですか。
私は梅雨になると必ずこの発句を一度は思い出します。
「ときは今 天(あめ)が下しる五月哉(かな)」
ご存知、明智光秀が本能寺の変の直前、京都愛宕神社で行った連歌会で詠んだもの。蛇足ながらご説明申し上げますと、「とき」には「時」と、明智氏が系譜の一端に連なるという源氏の嫡流「土岐」が、「雨が下しる」には、雨が下ばしる(降る)と、天が下を統(し)る、つまり治めるとの意味が掛けられているとか。当然、「五月」は旧暦なので現在の6月という意味です。
ということでこの発句は
「6月、梅雨真っ盛り。よく降りますね」という意味と
「今こそ清和源氏の嫡流たる土岐氏の自分が、(平氏傍流の織田信長を倒して)天下をとるぞ」という二通りの読みができるわけです。
こじつけ、でっち上げが多い明智光秀にまつわる言い伝えではありますが、この発句に関しては史料、タイミングから推察して後者の解釈通りの意図で本人も詠んだのではないかと思います。
この発句から9日後。天正10年6月2日未明。
信長に命じられ、秀吉の援軍に向かうべく居城丹波亀山を発した光秀は、京都老の坂に達します。右に行けば中国道。しかし光秀は京に向かう左の進路をとり、全軍に号令します。「敵は本能寺にあり」
有名な本能寺の変のプロローグです。
ちなみに本能寺の変の動機については、光秀の悲劇的な最期と相まって、心神耗弱に陥った光秀の勝算なき犯行説、勝算ありで単独犯説、同じく勝算ありだが黒幕存在説、など古来より議論百出しております。
つい最近も光秀の直系のご子孫が出版なさった「真相」が、ベストセラーとなっておりました。
ということで、この発句について申し上げたかっただけなのですが、うまいオチも浮かばないまま流されて、話が妙な方向に向かってしまいました。
一応成り行き上、次回は私の考える「本能寺の変の真相」という思いもしなかった展開に突入しようとしつつありますが、雨の話題だけに流れに呑みこまれたということで 。
とりあえず本日はこれまで。
ご退屈様でした。
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