スタッフブログ

毎日暑い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
…と、月並なご挨拶で始めてみましたが、私の実感としては7月の暑さのピークへのスパートがあまりに急激だったので、8月に入ってから暑さが少し和らいだような妙な心持でおります。
ただまぁ、このあと急に涼しくなるわけでもなし、暑さに対する備えを緩めてはいけません。

もうすぐお盆休み。あとちょっとの辛抱。
お互い頑張りましょう。

なぁんて、季節のご挨拶など申し上げたところで前回の続きを。

 

現行憲法では、「軍隊」は保有していないことになっていますから、憲法上「軍隊」についての規定はありません。しかし、年間予算額としては世界第2位の軍隊、「自衛隊」は存在します。
この自衛隊も、自衛のための最低限度の戦力であって、憲法9条が言うところの「戦力」には当たらないから合憲である、という政府の「解釈」は皆様ご存じのとおりです。

ただ、この解釈もそうとう苦しい。
もし、立法者が自衛のための戦力保持を認めていたのであれば、その「戦力」について憲法に当然何らかの規定が置かれるはずなのにその規定はない。ということは、立法者は9条の文言通り、いかなる趣旨の兵力であっても保持を禁じていたと考えるべきであり、もし自衛のための軍隊を持ちたいのであれば憲法改正を行うべきだったというべきでしょう。
それを「解釈」ですりぬけて軍隊を持った結果、我が国は軍隊はあれどもそれをコントロールする憲法規定のない世界でも珍しい国になってしまいました。

その結果、何が生じるか。
現在の日本はいったん戦争状態が生じれば誰がどういう権限で軍隊を制御するのか、憲法上なにも決まっていないのです。

例えば、開戦にあたっての国会承認は事前に必要なのか、それとも事後で足りるのか。その承認は通常の過半数の賛成で足りるのか、それとも特別決議が必要なのか。また、作戦の実施に当たっては、文民統制(シヴィリアンコントロール)方式を採用するのか、それとも統帥権方式なのか(この言葉も亡き司馬先生のおかげでずいぶん誤解されておりますが、文官である陸海軍大臣(つまり戦争の素人)が作戦計画の内容にまで口を出すのがシヴィリアンコントロール方式、そうでない(つまり、作戦の大枠が決まれば後は戦争のプロである軍人に任せてしまう)のが統帥権方式であり、どちらにも一長一短があります。長くなりますので割愛しますが「チャーチル」「海軍大臣」で検索すれば、文民統制方式の問題点もよくわかります)。
あるいは、本気で憲法を守るために自衛隊を完全に解散してしまうか…(昔はこういうご意見の方や政党もお見受けしましたが最近めっきり見かけなくなりましたね。やはり阪神大震災の自衛隊災害派遣が決定的でしたね)

いずれにせよ、軍事力を保有するのであれば当然有すべき憲法規定はない。けれど、軍隊はある。
全電源喪失時のマニュアルはない。けれど、原子炉は稼働させる。

わたしたちは「戦争が起きるなんて想像すらしていませんでした。強いて言えばわれわれの想像力が足りなかった」みたいな話をまた聞かされることになるのでしょうか。

もうすぐ、終戦記念日。
東京裁判をどう見るかによって議論はわかれましょうが、いずれにせよ戦前の軍部の暴走が終息した記念日でもあります。

明治維新以来、日本が憲法と向き合ったのは、2度の憲法制定だけ。
遅ればせながらわたくしたちも、そろそろ「道具」としての憲法という近代のルールに馴染んでもよい頃合いではないでしょうか。

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とまぁ、自分の頭の上の蠅も追えないくせに偉そうなことなど申し上げてみました。
お気に障られた方、どうぞご勘弁。

次回はもうちょっと柔らかいお話でご機嫌をうかがうことといたしましょう。
本日はこれまで。
ご退屈様でした。

 

皆様、楽しいお盆休みをお過ごしください。

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