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酷暑真っ只中ですが、皆様お元気でお過ごしですか。
聞くところによれば、今年は1千年に1度の暑さとか。梅雨頃にその話を聞いたときは、どうせまた「今年の風邪は違う」とか「今年の寒さは…」といった類だろうと思っておりましたが…。確かに「今年の暑さは違う。」気を許せば命を落としかねない熱さです。皆様、どうぞご自愛下さい。

さて、そんな暑い夏をさらに熱くして下さっているのが、今たけなわの参院選挙の候補者の皆様でして。
いつもなら、「ただでさえ暑いのに暑苦しい声を出しやがって。うるせえ」などと憎まれ口の一つも叩きたくなるのですが、今年に限っては全くそんな気が起こりません。本当にエライなと思います。この暑いのに、日によっては上着まで着て、走って、握手して、ニッコリ笑って…。できることではありません。その上、規定票に達しなければ供託金没収の憂き目まで待っています(ちなみに参議院「選挙区」の供託金は300万円です)。

どの候補者の皆さんも頑張って下さい。明日の日本は皆さんの双肩にかかっております。

その明日の日本といえば、今度の参院選が終わればいよいよ憲法改正が待っているとか。
ということで、本日は憲法改正のお話など。

憲法改正といえば、すぐに「9条改悪反対」「平和主義を死守するぞ」みたいな話になりがちですが、誰が見ても改正が必要だろうという条文もあります。それが89条でして。
憲法89条には「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」とあります。

何というか、あまり英語が得意でないお子様が英文を直訳するとこんな感じになるのでしょうが、何を言っているのか、も一つわかりにくい条文です(この条文に限りませんが)。で、この89条の解釈として、前段では、公金・国有財産を宗教団体にタダで使わせてはならない、つまり憲法20条の政教分離を財政面から裏付けた条文だといわれております。この点については偉い学者の先生方においてもほとんど争いはありません。問題は後段でして。

「公金その他の公の財産は」「公の支配に属しない」「教育」「の事業に対し、これを支出し」「てはならない。」と書いております。つまり、私学に対する公費助成は憲法違反だと明記されているわけです。

しかし、いくらなんでもこれはオカシイ。だって、たとえ私学に通っていても、次代を担う若人であることは国公立と同じ。その教育にかかる負担を国公立だとほとんどお国が負担、私学だとすべて自己負担というのはメチャクチャ。税金で支えてあげるのはいわば当然、間違っても憲法違反だなどということはあり得ない。

じゃあ、89条から「教育」の文言だけ取っちゃおうか…、でも、憲法の条文をいじるのは困難というかほとんど不可能…

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そこで、政府が考えたのは「公の支配に属しない」とは、全くお国の言うことを聞かないような状態。学校教育法などの法律も全く守らないような、いわば無法地帯みたいな状態をいうのであって、たいていの学校は教育に関する法律も守っているから(それはそうだろ)、国による私学助成は憲法89条には違反しない(こういうのを法律学において限定解釈といいます)として、憲法施行後一貫して現在に至るまで、公費による私学助成は行われているわけです。

ただまぁ、この理屈が苦しいことは利口な小学生が考えてもわかるわけで、そんなことを言い出せば、国の法律を守っている人はすべて「公に支配」されているのか、じゃあ、自主独立を校風に掲げている私学は嘘つきなのか、という可笑しな話になってしまうのです。

この89条は明白な立法者過誤、つまり書き間違えだ、と仰る先生方も少なからずいらっしゃいます。私も、これは立法者がわざと書いたと考えるのはかなり苦しいと思います。だって、ここに「教育」を入れるメリットが見当たらない。メリットはゼロでデメリット100。

おそらく「宗教」「慈善」「博愛」といえば、いずれも無償で相手に尽くす行為、そんなものに税金を突っ込まれるのは納税者からすればたまったものではない。で、89条を規定した。ここまではよかったのですが、もう一つ似たようなのがあった、「ハイ、ハイ、『教育』ね」、で、「教育」も追加。ところが通して読むと、「宗教」「慈善」「博愛」では問題なかったのだが、「教育」だけおかしなことになっちゃった。

ま、簡単に言うとそういうことだと思います。

この話長くなりそうなので次回に続きます。

 

本日はこれまで。

ご退屈様でした。

酷暑の折、皆様どうぞご自愛ください。

 

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