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 去る21日は土用丑の日だったとか。
 全国で、というか、全アジアで多くの鰻が昇天したことと思いますが、いかがですか皆さん、鰻召し上がりました?
 というわけで、本日は鰻の思い出など。

 子供の頃、我が家は養鯉業を営んでいた。養鯉業とは、錦鯉の養殖をする仕事である。自宅兼店の敷地は1500坪。大きな池がいくつか点在していて、そこに鯉を飼っておき、夏から秋の頃、池の水を抜いて鯉を展示用の池に移す。この作業を「池上げ」という。私や妹のような小学生から、日当を払ってお越しいただいたご近所のご婦人方に至るまでを総動員し、まぁ、なかなか賑やかな季節の恒例行事であった。

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 で、この池上げをすると、大きくなった鯉と久しぶりに対面できるだけでなく、思わぬ副産物がある。鰻だ。

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 鰻というのは、日本中の川や池や沼に棲んでいるが、これが全部フィリピン生まれなのだそうだ。川が通じていない沼などにはどうやってたどり着くのかというと、陸を這っていくというのだからエライものである。
 まぁ、そんなガッツのあるウナちゃんなので、鯉の稚魚がごっそりいる私どもの池にも当然お越しになる。そして、「もう食えん」というだけ目一杯稚魚を召し上がり、丸々太った状態で、われわれとご対面の運びとなる。

 今で言うと「天然物の最上級品、特Lサイズ」といったところだろうか。

 その鯉の敵、憎い鰻君を3日~1週間ほど井戸水で飼って泥を吐かせると、いよいよ、われらの食膳にご登場である。死んだ親父が器用な人で、錐と小出刃を操って、鰻屋顔負けの勢いでさばいていた。

 で、味はどうだったか?

 まぁ、鰻の味であった。
 もう少し丁寧に言うと、最近スーパーで買ってくる鰻に比べると味が濃かったような記憶がある。

 少々話が長くなりそうなので、続きは次回。本日はこれまで。
 御退屈様でした。

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