正直なところ、私の幼い頃の松山では、鰻などあまり高級な食べ物ではなかったように思う。
今でこそ、鰻の蒲焼も出世してオージービーフのステーキなどは見下す勢いだが、当時の蒲焼と一緒に店で並んでいたメンバーは、どじょう汁や雀の串焼(空を飛んでるあの雀である)だったような…
そんな中で出てくる鰻の蒲焼なので「父ちゃん、ホントに今夜は蒲焼が食べられるの?」みたいなテンションの上がり方は皆無だった。
ついでながら申し上げておくと、子供の頃の私は今どきのグルメの方からすれば垂涎の食生活を送っていた。
さっきまで泳いでいた鯉の、洗い、鯉こく(鯉の味噌汁です)。大粒の田螺の味噌汁。特Lサイズのどじょう汁、蒲焼。地卵に地鶏。
ただ、当時お子様だった私には全くありがたくない食生活だった。ほとんど、酒の肴ばかりである。しかも、かなり通好みというか渋めのチョイスである。子供が喜ぶわけがない。
卵は確かに旨かったが、鶏はキツかった。今風にいえば「自然の餌で育てて広い敷地で十分に運動させた鶏」なのだが、ひらたく言えば今朝まで庭で元気に遊んでいたペットのピヨちゃんである。「旨い」わけがない。おかげで「命を頂く」ということがどれだけ尊いことなのかは十分に学ばせて頂いたが、いまだにブロイラーだから旨くない、みたいなことを言っている人を見ると、はり倒したくなる。”ブロイラー上等”である。孔子様のおっしゃるとおり、生きているところを見た生き物の肉は食べるべきではない。
ここまでご覧いただいた皆様の中でひょっとすると、金がないから採集生活でもしていたのかと誤解なさった方もいらっしゃるかもしれないが、別に食材を買えないからそういう暮らしをしていたわけではない。死んだ親父には旨かったのだろうし、男のロマンだったのだと思う。今の私が見たら少しだけ旨そうな気がするが、お子様だった当時の私には全く判らなかっただけである。
ただし、その親父の食道楽のおかげで、いくら珍しくても所詮、鰻は鰻、卵も卵の味ということを教えてもらった。まぁ、ありがたいことであると感謝しつつ、今日は妻と奴豆腐などつつくことにする。
といったあたりで本日はこれまで。
御退屈様でした。
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